SUNDAY SKETCHING

Christoph Niemann

(クリストフ・ニーマン)

The New Yorker、TIME、WIRED、The New York Times などの表紙を担当するドイツ生まれのイラストレーターで、グラフィックデザイナーでもある。下記の本は、その彼が手がけた『SUNDAY SKETCHING』の韓国語版。この本は彼がアーティストとして生きることは?ものを作るということなどについて、あっさりと独特なユーモアで書かれたイラストコラム集だ。

↑ 上が原書、下が韓国語版。中身は言語以外レイアウトも全て同じだが、表紙のみ全く違う。(題名も全く違う) 原書の表紙の方がかっこいいかもしれないが、韓国語版はおそらく、原書と同じ表紙にしてしまうとニーマンの本とわかりずらく、誰かのエッセイと思われる可能性があるが、ニーマンの作品をいくつか載せることで、面白いイラスト集であるというのがわかりやすい。まだ韓国ではニーマンの認知度が低いためのアイデアと予想する。



오늘이 마감입니다만

1미터 안에 아이디어가 있다

(今日しめきりですが:1m以内にアイデアがある)

↑ ニーマンがニューヨークマラソンに出場し、出発の朝からゴールまでを記録した章。途中ペンのキャップを落とし、SNSで呼びかけたりしている(笑


僕の運命の主人は自分だといつも信じてきた。
描く、デザインする、視覚的に思考すること。
こんなことはみなが学習可能なことでありながら、
忍耐と意地があれば不足する才能を伸ばすことができると信じた。


ちょっと頭をもたげて

考えた。


うわあ、ここはどこ? 僕はどこにいるんだ?

僕はどこから来たんだろう?

僕はどこへむかっているのだろうか?


僕が気づいた決定的な気づきは

「決定的な気づき」はないということだ。


創造のすべての過程は小さく敏感で、慎重な決定によって成っている。

最終的な結果物はとてもシンプルでわかりやすいイメージでなければならないが、

すべての遠回り道と突きあたりを行ってみないことには

紙1枚にそれをスケッチすることができない。


僕の仕事は

ひとすじに僕の実力に集中して、

仕事の環境をちゃんと整え、

考えて実験する時間を持つことだ。

残りは運にまかせなければいけない。


本当に素敵な日に、こんな気づきが

もっと幸せに近いなにかを運んできてくれると信じながら。

ー クリフトフ・ニーマン

[韓国版 表4より]




SUNDAY SKETCHING

https://www.youtube.com/watch?v=bggFn_ztMeA

原書(英語版)を動画で雰囲気だけ見ることができます。

韓国語版は表紙以外、原書通りに製作されている。



本の中で彼はアイデアについて技術について悩んだり、それでつかんだ考えを楽しいスケッチで見せてくれる。そのイラストを見ているだけでも楽しいだけでなく、短いコメントの中には創造に携わる人なら誰でも考えたことのある悩みに対する明るい回答がある。

縦横斜めからたくさん考えて、たくさん練習すること。

それ以外に道はないとも言えるし、そうすることで道ができるのかもしれないと

思わせてくれる1冊だ。

韓国版のサブタイトルにもなっているが「1m以内にアイデアがある」は、最近読んだ『判断のデザイン』(朝日出版社)でもチップ・キッドが言っていたことだ。すぐまわりにあるものを良く見て、よく考えてみること。そこに大事なことがたくさんある。


さあ練習、練習。



本あるいは

本、装幀、作家のことなど。 それから韓国留学記録や旅行について。

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