読書と音楽

今日は私が読書する時によく聴く音楽のご紹介。

読書の時は言葉のない音楽の方がいいので、クラシックを聴くことが多いですが、

このアルバムもしょっちゅう聴きます。


『記憶喪失学』菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール

どんな本にも合うわけではないのだけど、最近読んだ本のなかで

ピッタリだったのは「不思議の国のアリス」。

あとはちょっと幻想的な要素のあるもの、、須永朝彦「天使」も合うと思います。


ジャズやラテン的な音を残しながら

映画音楽を中心に、ブラジリアンミュージックの名曲などを

取り上げたアルバムです。


ライナーノーツよりコンセプトを。

映画の呪いとしての音楽を、或いは映画の呪いから解き放たれた音楽を、
その憂鬱なまでの美しさ


聴き終えた後、一体どれだけ記憶しているか、美しい単純なメロディーを、
どれだけ口ずさめるか、記憶の喪失や不全を、そしてその逆転現象として予想される、

抑圧していた記憶との悪夢的で甘美な再会を存分に楽しんで頂きたい。

とある。

実際の映画音楽と、実験的なジャズ&ラテン音楽、おもちゃ箱みたいな印象です。


ジャケットの絵画は、画家の川合朋郎氏の描き下ろし作品。

古い絵画のようでとても良いジャケットです。

北川デザインオフィスがデザイン。

クラシックな雰囲気もあるけどモダンなアルバムだからと、抽象的なデザインの

ジャケットだったらだいぶ雰囲気は変わってしまってたはずです。


〈収録曲〉

1.映画「バターフィールド8」  バターフィールド8のテーマ

2.メウ・アミーゴ・トム・ジョビン  

3.クイズ番組のTVCMの悪夢

4.映画「アルファビル」 ~ 悲しきワルツ

5.チューインガムのTVCMの悪夢

6.バイレ・エクゾシズモ 

7.航空会社のTVCMの悪夢

8.ソニア・ブラガ事件 

9.大天使のように 

10.恋とは何か貴女は知らない  

11.映画「8 1/2」  それから‥‥(ワルツ)より

12.エアコンディショナーのTVCMの悪夢


「映画」とタイトルについていないものは、

2 ハダメス・ニャターリの曲、10 映画 Keep’em Flyingより、

6 菊地&中島の共作、8 中島ノブユキ作曲、9 菊地成孔作曲、

とTVCMの悪夢。


ちなみに『チューインガムのTVCMの悪夢』を

「サルバドール・ダリ チューインガム テレビコマーシャル」で検索せよ

とのことなのでしてみました。

ダリはチュッパチャップスのロゴデザインを手がけたようですね。

名称は元々「ゴール」→「チャップス」になったのが、

ラジオCMで「チュッパチャップス」と、テーマが流れて以来そのように名称も変えたそう。

http://www.chupachups.jp/history/


ついでにラジオCM

http://parecequefueayer.espaciolatino.com/ChupaChups.html

つまりチューイングガムじゃなくチュッパチャップス = これも記憶の喪失?


見た瞬間から手のひらからこぼれるように消えてしまう記憶は、

本の中の物語に出会ったあとでも同じような経験はないでしょうか。

残り香だけ記憶しているような。

このブログのタイトルに夜想曲という言葉を使ったのもそれです。

本の最終ページは夜の名残を想うように。なんて。

 

本あるいは

本、装幀、作家のことなど。 それから韓国留学記録や旅行について。

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