語学備忘録

えらそうなことは書けないが、自分の備忘録として。

以下は韓国語だけではなく、どの言語でも大きな違いはないと思う。


よく英語の勉強の仕方の記事などに「多読」「海外ドラマ」を効果的な例として挙げているのを見かけるが、基本としてそれができるのはある程度語彙力があり、A4用紙1枚程度の文章が書けるようになってからだ。語彙力もなく文法もわからなければ何も理解できない。辞書をひく時も、単語なのか慣用句なのか文法の一部なのかの判断があると早い。


半年の学校での勉強の進め方がどうであったか、そして効果的であると身を以てわかった語学勉強の大事なことをまとめてみた。


◎ 語彙

1, 次の日に学ぶ課の語彙(50〜70個程度)を辞書で単語の意味を調べ、例題にて具体的に理解する。

2, 授業の始めにその日に学ぶ課の語彙テスト(つまり前日自習した語彙)

3, 授業では上記語彙が教科書の本文に出てくる 

→ すでに自習した語彙を3回目にしている→記憶に定着

4, 下校後、自宅でワークブックの宿題。内容は上記の語彙の応用問題

→ 自習した語彙4回目


ここまでが1課に出てくる語彙を覚える流れ。(1)で意味と例題を理解し音読することが大事で、何度も書くのは効果がなかった。


5, 2〜3つの課が終わると総復習の日があり、180個くらいまとめてテスト

→そのために再度見直す。この見直しも上記同じく書いて覚えない。

6, 中間試験、期末試験は各600個程度。再度見直し。


ここまでで1つの語彙を6回ほど見たり音読したりしている。

それと毎回の授業では主題に沿って、考えを話す時間があり、そこでもなるべく覚えた語彙を使用する。こうして自然と覚えていく。さらに、新聞や小説の中で出てくるともっと記憶の定着率があがる。この一連の方法はテスト含め自分一人でもできることでもある。


[ポイント]

◯ その語彙は良い意味か、悪い意味か、どちらでもないかを認識。

(肯定的であるとか否定的な意味であるとか。単語の頭に +、−、± のマークを付けるとわかりやすい)→こうして似ている単語の区別と、良い意味で使用したつもりの似ている悪い意味の言葉を使用したりしないため。

◯ 反対語や類語も調べることでより明確に意味を理解。似ている単語の区別。

ex. 素朴だ 質素だ は似ているが違う。これを反対語(華やかだ 贅沢だ(浪費))と一緒に覚えておくと明確に区別しやすい。

◯ 例文も必ず確認し、どういったシチュエーションで使用されるのかという観点から意味を把握すること。

◯ 日本語の辞書だけではなく、韓韓辞書(ネイバーでok。アプリも有)でも調べる。



◎ 文法 

文章や公式な場での発表で使用する文語体、話す時に使う口語体がある。

音読することと、例文をいくつも作ること。ただ暗記ではなく原理を知ること。母語での意味理解も大事だが、例題を多く見てニュアンスで理解することがもっと重要。



◎ 音読

語学の基本中の基本。全ては音読ありき。

シャドーイングで正しい発音の練習。

口癖にして定着させる。

音による記憶効果はかなり大きい。そして正しい発音ができないと綴りも間違える場合が多い。特に韓国語のように音によって文字が作られた場合は。

よくカフェで黙々と語学勉強をしている人がいるが不思議だ。ノートにまとめたりするのも頭の中を整理するのに良いとは思うが、まずは地声でなんでもかんでも音読してこそ。

語彙でも長文でも20回は音読したりシャドーイングしたりすること。

[ポイント]文章を音読する場合はあらかじめ内容をしっかり理解していないと意味がない。語彙も文法も内容もしっかり把握して音読すること。まず日本語訳を書き出すても良い。



◎ 多読・多聴

・小説、ニュース記事(新聞)、論文や説明文、随筆や紀行文を読む。

→ 多く目にすることで覚えた文法や語彙がさらに定着。

・ラジオ(堅いものから娯楽性のあるもの)やテレビドラマ、インタビュー動画で話言葉を聴き取りながら実際の使われ方を学ぶ。

[ポイント]語学試験を受ける人は社会問題についての意見を作文する問題など出題されるので、新聞紙の社説を読むのも良い勉強になる。



● アウトプット ●

上記まではインプット方法。いよいよアウトプットだが、まずは

会話(話す)

・会話はとても特殊だ。一度聞いて理解し、次の瞬間に自分の言いたいことをまとめたものを適切な語彙と文法を使って伝えなければいけない。

・口語で話すこと。学んだ語彙や文法がどんなシチュエーションでどう使用されているのかを知るのが重要。そのためにドラマや映画、バラエティー番組を見るのが効果的。

・公式の場でスピーチなどしたり、何かのテストで聴き取り科目がある場合はインタビューやスピーチなどの動画が役立つ。


作文(書く)

・上にも書いたが、様々な文章を目にし、できれば真似して書いてみる。テーマや単語を変えるだけで全く同じように書いて、文章を書く練習をする。ただし、元の文章が良くないと逆効果であるので、印刷物になっているものや大学論文などが良い。



ー 学校の先生に教えてもらった勉強法 ー

韓国語勉強している人にオススメなのは、ネイバーニュースにアップされている動画。動画下の方には全文掲載あり。リスニングして書き出す → 確認 をすることで聴き取りの練習にもなる。

http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LPOD&mid=tvh&oid=052&aid=0001009879


ニュースページの行き方

http://news.naver.com/main/tv/index.nhn?mid=tvh

左の放送局一覧から見に行き、ニュースを選択すると動画と記事本文を見る事ができる。

又は、上に出ている放送局のロゴから見に行くと夕方のニュースを見る事ができる。おそらく記事文がでていないと思うが、その動画のタイトルすぐ下の「기사본문」をクリックすると記事本文付きの動画ページを見る事ができる。



ー 教科書や参考書 ー

できれば、読解(文章や会話文)・語彙・文法 が1冊でまとまっているか、同じシリーズになっているものが良い。語彙は語彙で覚えるのであれば例えば英語ならDUOとかあるが、単体で覚えるより連動しての方が忘れにくいのではないかと思う。あとこれは個人的な意見だが、いくつものテキストをやるよりも何か1冊を集中してしっかり取り組む方が良い。

そして絶対CD付き。


韓国語学習の参考書のオススメは

日本の書店で購入する場合:「できる韓国語」の教科書とワークブック。このシリーズはレベルわけされているのと、文章・語彙・文法が課ごとになっているので良い。

現地やネットなどで購入する場合:ソウル大学言語教育院の教科書とワークブック、延世大学語学堂の教科書類も良さそうだったが、見ただけで使用していない。


その他:韓国語単語活用辞典→ これで覚えるのではなく、不規則の活用を突然迷ったりした時の確認用。掲載されている単語数は多くないが不規則確認用なので十分。

韓国語の数と数え方→ 音読や話す機会が増えるにつれてお金や時間、日付や人数など日常でよく使うものの数え方は迷わなくなるが、「ピザ一切れ」の表現など時々見返すと勉強になるし面白い。この本はオススメ。




最後に個人的な意見になるが、

学ぶ言語が使用されている国の歴史や、その言語が成立した背景と同時に、日本の歴史と日本語についての勉強を改めてしてみることも必要だ。

母語の語彙力や表現力が豊富で、文法を正しく使用でき、言語についての知識があってこそ、外国語を理解したり操ったりできるのであり、母語も正しく使用できないのに外国語を突然上手に使用できるわけがない。そして外国語の使用目的の大部分は日本語話者以外とのコミュニケーションなので、日本の文化や歴史、社会問題についての考えを求められることが多い。特に海外に留学して学ぶ場合は、各国の文化の比較や歴史についての話、自国での男女での考え方や社会地位、自分の考えや経験などを話さなければいけない。むしろ毎日外国語でそんな話ばかりすることになる。そんな時、何も知りませんでは話にならない。


幸い年の功もあって困ったことはないが、一回だけ紙幣に印刷されている人物の話をしている時、野口英世、福沢諭吉、樋口一葉、夏目漱石、紫式部まではよかった。それぞれの説明をしながら他国に比べ日本は文化人がお札になっている話をした。しかし新渡戸稲造の説明ができなかった。


知りません、わかりませんと言っても減点されるわけではない。だけど私は、国家間の関係が微妙なうえに教科書問題を抱え「日本人は歴史を知らない」という認識でいる韓国という国に留学にきて、本当に答えられないのは良くないと思っている。私は日本代表ではないが、しかしその小さなクラスの中では日本代表なのである。そして若者の中では大人代表なのだ。




本あるいは

本、装幀、作家のことなど。 それから韓国留学記録や旅行について。

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