ソウル本屋:고요서사

ソウルの本屋紹介、3軒目は、

↑ 写真:고요서사のインスタグラムより拝借(泣)



고요서사

[コヨソサ]


住所:서울시 용산구 용산동2가 20-9 1층

   ※ 4号線 淑明女子大学駅からバスで。または徒歩20分。

営業時間:14:00 - 21:00 定休日ナシ (← 火曜日休みだったはず?) 

Instagram: https://www.instagram.com/goyo_bookshop/?hl=ja


韓国の本屋さんは突然休みになったり、営業時間が短縮されたりするので、出かける直前に必ずインスタグラムなどSNSで確認しましょう。

↑ 写真:TASTEMAKERSより拝借(泣)



正直に言うと、私はその日ほかの本屋を探していた。だがその街の道が曲がりくねり、小高い地域でもあり迷ってしまったのだ。


その時に意図せず見つけたのが고요서사であった。焦げ茶色レンガの外観。ロゴが大きく入ったドアを開けて中に入ると、海外文学から韓国国内文学まで店長の차경희さんセレクトの本が静かに並んでいた。チャ・ギョンヒさんは声がとてもかわいい人である。


ここは文学書中心の本屋だ。私はこのようにコンセプトや仕掛けが明確な本屋が大好きだ。この時はまだ韓国に来たばかりなうえに、閉店時間せまる夜に訪れたため、写真も夜の外観以外全く撮れなかった(それで写真は拝借 泣)。今、韓国で人気のある文学はどんなものがあるのか、翻訳された海外文学はどうか、この고요서사で把握したと言ってもいい。

↑これも拝借 泣



チャ・ギョンヒさんは出版社に勤めながら、コンセプトや店名、不動産を探した。ギョンヒさんは店名を考える時に、박인환(朴寅煥 パク・イナン) 詩人が運営していた書店、茉莉書舎(マリソサ)が思い浮かんだ。「書舎」とは儒者たちが集まって勉強をする家を言う。そして韓国語の서사(ソサ)には書店、書籍などの意味もある。そのソサの前につける言葉は「茉莉」のように美しい言葉をつけたいと考えたギョンヒさんは、고요(コヨ)静寂(静かで落ち着く)という言葉をつけた。


ちなみに박인환朴寅煥 詩人が運営していた말리서사(茉莉書舍)は、詩人、小説家、画家、映画監督が自然に集まって友情を深め、芸​​術を語る場所であった。元々違う仕事をしていた朴寅煥は光復年の1945年に詩人になることを決め、茉莉書舎を開き、1948年に廃業した。その理由は同人誌の制作や新聞社での仕事など創作活動のためだと言われている。 

さらに、朴寅煥氏が1956年3月に亡くなるまで住んだ場所は今の教保文庫(韓国の紀伊国屋書店のような本屋)になった。これは偶然なのだろうか。

↑これも拝借 泣


고요서사の名前の由来から茉莉書舎の話が面白くてちょっと脱線したが、私がこの日고요서사で出会ったのは大好きな作家 김중혁(キム・ジュンヒョク)さんの『나는 농담이다』という本だ。この本はとても面白かったので、別の機会に話をする。

↑これは自分撮影 *^^* 本と一緒に写っているのはショップカード



解放村という地区に位置する고요서사。近くにはリトルプレスを中心に扱う有名なStorage book & filmなどの本屋が他に2軒ほどある。解放村には福生に似た空気が流れ、ソウルタワーが美しく見える。そして歴史を感じる路地がある。ぜひ解放村を散歩しながら、この文学専門書店 고요서사で小説や詩集に出会い、近くの本屋にも足をのばしてみてほしい。

↑ 自分がこの日に撮った閉店間際の静かな고요서사


たまに店長のギョンヒさんがSNSで経営難を訴えているが、私はなくなってほしくないと願っている。オスカー・ワイルドの名言集にも、夏目漱石の韓国語版シリーズもここにあった。ジュンパ・ラヒリの訳本もだ。


街の小さな本屋で、落ち着いて文学と向き合う時間の持てる고요서사なのである。帰国までにもう一度訪れたいと思っていたが、足をのばすことができず心残りだが、次の訪韓の際はまた必ず行こうと思っている。

本あるいは

本、装幀、作家のことなど。 それから韓国留学記録や旅行について。

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