PROPAGANDA CINEMA GRAPHICS
とても小さくてとてもかっこいい本を紹介します。
韓国のPROPAGANDAは、映画や公演のポスターデザインをする会社です。
デザイン誌のGRAPHICを製作している会社もPROPAGANDA PRESSというので同じ韓国で似た社名なので混乱するのですが、、、、今回はPROPAGANDAの映画ポスター集です。
PROPAGANDA CINEMA GRAPHICS
手のひらより少し小さいサイズで分厚いです。何度も見ていたらおそらく背から崩壊していくと思われます。
↑ 文庫と比べるとこんなに小さい!
あまり比べるのはよくないのだけど、日本の映画ポスターは情報詰め込み。に対して韓国はイメージや雰囲気を伝えるものであり、詳細はわからなくていいんだというデザイン。ヴィジュアル重視だから当然かっこいい。
↑ 例えば『覇王別姫』のポスター。上の2枚はPROPAGANDAがデザインした韓国のポスター。(3月くらいに公開のはずが公開延期に。中国映画だからおそらくTHAADの影響)下の黒いのが日本のポスターです。同じ映画で全然違います。でも私はこの日本ポスターすごく好きです。古くさいけれど時代や、別れのせつなさを感じさせる。韓国のポスターすごく素敵。これは飾りたいです。どんな話かわからないけれど、、、、
PROPAGANDAは書き文字、いわゆるカリグラフィーを多用する特徴がありますが、韓国自体がカリグラフィー大好きで、ドラマのタイトルはほとんど書き文字です。ちょっと読みずらいくらい崩してあるのですが、イメージはよく伝わる。それと写真の使い方も大胆で、使用の規定とか大丈夫なのかなと思ったりもしますが、余白を上手く活かしたハッとするデザインは、見る人の目を引くだけでなく良い映画なのではないかと思わせる。その映画を観たくなるデザインです。
こんなに素敵なデザインがコンパクトに一気に見ることができるこの本。大人気で1刷を買うことができず2刷を待ち、YOUR MINDという本屋で最後の1冊を帰国直前に購入しました。なんと日本円で約1200円! 安!! おそらくまだ韓国で買えるのではないかと思いますが、下記HPでも購入可能だと思います。(海外配送しているのか不明)
もち歩いてつねに眺めたいけど、崩壊をおそれてたまに眺めるだけ。
http://propa-ganda.co.kr/xe/index
ちなみに日本の映画ポスターの数々、、、登場人物たちが一堂に会する必要があるのかしら?と思います。すごくCGぽい。あとキャッチとか文字情報も多い。文字が立体になっているとかね。(わるくちじゃないですよ)
おそらくデザイナーの趣向というより、業界全体で「映画ポスターはこうあるべき」が横行しているのだと思います。それと雑誌や本でもそうですが、「売り場で目立つ」というチラシ感覚が抜けないからこういうことになる。(わるくちじゃないですよ)
なんでもそうだけど、「本当にこれがいいのだろうか」という見直しは何にだって必要だ。当然このような映画ポスターが素晴らしく輝いていた時代はあったわけだけど、今もそうなのか?という疑いの目はものを作るにあたり必要不可欠だと思います。(自戒をこめて)
かと言って韓国の映画ポスターみたいに!というのでもありません。
けれど韓国では日本映画がとても人気があります。それは物語の多様性。良い映画はたくさんあるので、映画に合わせたヴィジュアル作りを是非お願いしたいところです。
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